葵のひとり感想戦

アニメやら漫画やらについて思ったことをぽつぽつ

【吉祥寺だけが住みたい街ですか?】を読んで

お久しぶりです、葵です。

 

アニメについての感想投稿ばかりしてきましたが

ここ最近は漫画の方がよく読んでいる気がします。

 

最近読んで1番よかったのは【吉祥寺だけが住みたい街ですか?】

作者はマキヒロチさん。

(この方の他の作品も気になっています)

 

吉祥寺で生まれ育った不動産屋の双子(ビッグサイズ)が

吉祥寺に住みたいという人たちに「吉祥寺じゃなくて良くね?」と

いろいろな街を紹介していく話です。

 

面白いのは、実際に存在するお店や街の風景を紹介しているところ。

わたしはもともと街歩きとかが好きなタイプなのもありますが、

観光名所や映えスポットでなくても素敵な店員さんがいるお店や

美味しいものが食べられる飲食店、電柱が入る風景や

そのへんで寝転んでいるおっさんなど

そういう目のつけ方にとても興味をそそられます。

 

なかなか行かないスポットでも意外とこんないいところがあるんだよと

双子が紹介する街には人の温かみやら歴史の重みやらが詰まっていて

実際に歩きに行きたくなります…!

(早くコロナが明けて気軽にお散歩できるようになってほしいです)

 

また、街の描き方だけではなく勿論人の描き方もとっても素敵!

双子が連れまわすお客さんは、みんなどこか悩んでいたり

変わるきっかけがほしかったりとそれぞれの事情があります。

 

特別すぎる事情でもなく、恋人との別れや仕事の多忙さなど

身近な問題で親近感も湧きますし、とてもリアル。

 

そして双子の勢いにつられてその心のうちを話してみると

双子は双子なりの考えを言ってくれます。

 

そこでいいのが、双子が押しつけがましくないところですね。

正義感を振りかざすわけでも、頭ごなしに否定するでもなく

「あんたも大変そうだねー。わたしはこう思うけどねー」くらいの言い方で

何故かすんなりと心に入るんですよね。

 

お客さんたちはみんなそれぞれ性格も違うし悩みも違うけど

みんな双子との街歩きや内見を経て、この街に住んでみよう!と

一歩踏み出したり…踏み出さなかったり。

職場から遠すぎると内見もしなかった人もいたところもリアル(笑)

 

とても温かくて優しくて、すっきりする漫画です。

 

 

住む家って大事じゃないですか。

だってそこで寝泊りするんだし。生活するんだし。

このご時世的に言うと、おうち時間も長いわけだし。

気に入った土地で、気に入った部屋じゃないと嫌だけど

交通の便とか職場との距離とか間取りとかもろもろ条件はある。

そんな中で、わたしも身に覚えがありますが何となく吉祥寺って憧れがあります。

緑があって、広い公園もあって、アクセスも良くて、オシャレなお店もあって。

でも実際には歴史あるお店は少しずつ減っていき

どこにでもあるようなお店が増えて、吉祥寺だけの良さは減っていっているよう。

 

何となくの感覚だけで憧れていた土地に住むのではなく

本当に知っている人が細かいところも教えてくれることで

知らなかった土地の良さを知り、そこに住むことまで決めてしまう…

それって実際にはすごい決断だと思うけど、気持ちいいだろうなって。

 

そんなわたしも最近引っ越しを考えていて

この双子に相談したいなあ、と思いながら読んでいました。

 

街歩きが好きな人は勿論、街づくりとか街の歴史に興味がある人、

なんなら引っ越しを考えている人にもオススメできる作品です。

 

ぜひ一読あれ!